先日、久し振りに能を見に行ってきました。
私がなぜ能楽が好きなのかは以前ざっくり書いた通りです。
今回行ったのは「喜多流養成会」という公演です。
簡単に「能」のこと
能楽に興味がない方には、何のことかわからないと思いますので簡単に書きます。
能楽の歴史は、室町時代にそれ以前からあった芸能の芸術性を高め、時の権力者足利義満に気に入られた観阿弥・世阿弥親子から続きます。
650年以上も続く芸能です。
古典芸能に興味がない方は、歌舞伎と違いはと思われる方もいらっしゃいますが、歌舞伎は江戸時代からの芸能ですので、能楽の方が歴史は古いです。
話の内容は、『伊勢物語』『源氏物語』『平家物語』を題材にしたものも多く、世阿弥が作ったとされるものも多いです。
花道や茶道でも何流などがありますが、能にも流派があります。
流派の前にちなみに能楽は
主に悲劇 能
主に喜劇 狂言
そして流派は
能シテ方は五流
観世流 観阿弥を祖として歴史が古く最大勢力 本拠地 観世能楽堂など
囃子方もそれぞれ流派があります。
同じ能であっても、流派によって演目や内容・所作などの違いがあります。
流派はどこがいいと言うよりは、私は出会いと相性かなと思っています。
私はご縁がありまして喜多流が好きですが、流派に捉われずにあちこち見てみると違いを感じたりして面白いです。
で話が戻りまして
公演構成
今回は、名の通り青年たち養成のための公演。
このような公演は、各流派行われているようです。
さて、仕舞・舞囃子・能で構成された内容。
十代の内弟子から八十代の宗家預かりまで出演。
ちなみに、仕舞と舞囃子は能の一曲部分の見どころを、装束・面なしで舞ます。
全部ではないけど、かっこいい触りはわかるという感じ。
簡単に音楽に例えると、曲のいいところを弾き語りみたいな感じと言っていいでしょうか。
言ってしまえば、演目を理解していなくても楽しめます。
もちろん知っていた方が尚良いです。
『風姿花伝』を思い浮かべ
今回は、世阿弥の『風姿花伝』第一章「年来稽古条々」を思いながら見ていました。
少年期、青年期、壮年期、老年期と年を重ねていくわけですが、その時々の花がある。
その花をどう咲かせるのかは自分次第なんでしょうね。
そんな花を感じる舞台でした。