前回、書きました通り久しぶりに狂言を見てきました。
やっぱり、能楽好きとしては新年は「翁」か「三番叟」を拝見したいのです。
野村狂言座 2023.1.13(金) 宝生能楽堂
「三番叟」は、能「翁」の狂言方が勤める部分だけ行う、五穀豊穣を祈る舞です。
劇場などのこけら落としの際や、東京スカイツリーの開業式典でも行われました。
また、企画公演での国際フォーラムや世田谷パブリックシアターでも行われ、萬斎さんは狂言師の中でも誰よりも三番叟を踏まれています。
とにかく静と動のメリハリとキレが素晴らしい。
そして、意外と能楽堂で観る機会は少ないのです。
能楽堂は普通の舞台と異なり、正面の他に舞台向かって左側から見れる脇正面という座席と、正面と脇正面の間の中正面という席があります。
私は今回、脇正面。
脇正面からの三番叟は初めてみたのですが、正面より躍動感に溢れていました。
前傾姿勢で萬斎さんが舞われている姿に、初めてエレカシを武道館の右端で見た時の宮本さんの姿に重ねたのは、間違いなく私だけだと思います(笑)
と、今回の三番叟は見る角度が違ったからだけではなく、少々いつもと異なる演出が違うがありました。
私が行った日は「田歌節」という小書が付き。
本舞台より橋掛りへ、駆けていく姿がありました。
休憩後、萬斎さんが登場し、今回の三番叟とこの後行われる狂言の解説をお話されました。
ちなみに、舞台上からお客さんが寝ている姿はよく見えるそうで、鈴の段になると(テンポがゆっくりになる)バタバタと寝てしまうと…どうしたらいいか、と。
私はガン見でしたが、近くのご婦人も少々夢の中でした(笑)
天地人。結界を張る。
なども話されていました。
この「野村狂言座」では、狂言の約200演目(流派による)の中でも公演回数の少ない曲もお目にかかれます。
今回の他の三演目も披露される機会は少なめものでした。
宝生能楽堂のロビー
「翁」の面と装束の展示
新年の飾りも
今年は昨年よりも能楽鑑賞もしたいともいます。
温暖化などにより季節を感じにくい今日ですが、四季の移ろいと能楽を楽しみたいですね。
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