早いもので今年も、もう半分が経過しようとしています。
今年3月。
20年間勤められたパブリックシアターの芸術監修を退任された野村萬斎さん。
私も何度も劇場に足を運びました。
萬斎さんならではの演出作品などが多く、同じ公演を何度か鑑賞することもありましたね。
ということで、今回は萬斎さん主演の思い出に残る舞台の話です。
衝撃的な舞台 『藪原検校』
初演 2012年
再演 2015年2月〜3月
[あらすじ]
江戸時代。生まれた時から目が見えなかった主人公・杉の市。
父は自害。母は息子の将来を案じ、塩釜の座頭に預ける。
少年の頃から、悪事三昧の杉の市は、盗みや脅しは当たり前。
ついには人を殺し、江戸へ。
目指すは権力と富が約束された「検校」の位。
そのためには手段は選ばない。どんな悪事もいとわない。
やがて念願通り検校に登りつめるが…。
これ何が衝撃的だったかって、萬斎さんが半端ない悪党・杉の市役なんです。
映画やドラマ、もちろん狂言でも、悪党ってないし、そのイメージはないですよね。
この役のために髪型も坊主に髭、メイクされている姿にいつもの萬斎さんのイメージはどこにもありません。
グロテスクだったりエロスな表現は抑えられて、見る側の想像力におまかせする表現。時々笑いの要素もあったりと観客を釘付け。
悪事を重ねて自らの手で、運命を切り開き上り詰めていく杉の市に対し、杉の市と不倫関係の人妻・お市は、やがて杉の市に裏切られて堕ちていく。
悪事で手に入れたものは、長続きはしない。
でも、杉の市はどんな過酷な状況でも生きることに貪欲でした。
そして、ラストも衝撃的でした。
シェイクスピアの名作『マクベス』
初演 2010年3月
再演 2013年2~3月、2014年6~7月、2016年6~7月
【あらすじ】
卓越した武勇と揺るぎない忠義でスコットランド王ダンカンの信頼厚い将軍マクベス。
しかし荒野で出会った三人の魔女の予言はマクベスの心の底に眠っていた野心を呼びさます。
夫以上に野心的な妻にもそそのかされ、マクベスは遂に自分の城で王を暗殺。
その後は手に入れた王位を失うことを恐れ、憑かれたように殺戮を重ねていく……。
KADOKAWA HPより引用
萬斎さんの舞台と言ったら、この『マクベス』のイメージ。
それまで、あまり演劇に興味がなかった私には、シェイクピアはピンとこなかったのですが、
魔女の台詞「きれいは汚い。汚いはきれい」で有名ですね。
そしてこの舞台、5人の出演者で分かりやすい物語になっていました。
萬斎さんならではの「和」の要素を多く取り入れた「マクベス」
物事には表と裏があって、相反するようだけど見方が違うだけなのか?
いい意味で、広い視野で物事を見れる人間でいたいとかいろいろ考えさせられます。
ちなみに、萬斎さんの剣の立ち回りが非常にかっこ良かった♪
まとめ
萬斎さん見たさにパブリックシアターには良く足を運びました。文化芸術はバンド系がほとんどであった私には舞台鑑賞は新鮮でした。
来年の大河ドラマにご出演が決まっている萬斎さんですが、息子の裕基さんや一門の方の芸の伝承と、能楽と伝統芸能の普及のためにこれからも活動されることと思います。
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「能狂言 鬼滅の刃」とっても楽しみしていたのですが、残念ながら東京公演チケット取れませんでした。
追加公演、期待してます。
狂言も芸能活動も楽しみですが、またいつか萬斎さんの舞台も見たいですね。