ロックと能楽と散歩

「バカらしくも愛しき 煩わしくも愛おしき この世界」 日常と非日常

MENU

「人間国宝の競演 友枝昭世と山本東次郎の至芸」鑑能

GWが過ぎもう一週間。

皆様いかがお過ごしでしょうか。

私は連休も遠出はなく、

前半は友人とランチなど後半は衣替えや掃除をして過ごしました。

そんな休日

楽しみにしていた公演がありましたので

そのことを書きたいと思います。

 

人間国宝の競演 友枝昭世山本東次郎の至芸 

能は650年以上の歴史がある古典芸能。

演劇でありながら能面をかけるシテ(主役)は所謂演技をしない。

型という身体の動きと、装束や詞章など決まり事があるなかで

演者の色や花、今日だけの舞台の組み合わせで

独特な空気みたいが生まれる。

 

では例えば

俳優であれば演技が上手いとか

歌手であれが歌が上手い、心を打つとかになるが

演技をしないシテ方能楽師の凄さとはいったいなんであろうか

と今回の舞台を拝見してからしばらく考えていた。

 

答えは出ないのだが

ただ何も分からずとも凄いと感じる方が

友枝昭世先生。

私が数年前に何も分からず能のことを調べている時

映像でしたが引き込まれたが友枝先生でした。

 

演技でないのであれば

その佇まいとか所作や発声ということになるのかな。

 

今回の曲は『羽衣』

羽衣 あらすじ

三保の松原で、漁師が天人の羽衣を見つけます。返してほしいと願う天女(シテ)に、漁師は舞を見せてくれるなら衣を返そうと答えます。衣を身にまとった天女は、富士山を背に、優雅で美しい舞を舞います。そして、地上に数々の宝を降らすと、天上界へと帰っていくのでした。

日本芸術文化振興会HPより引用

 

今回の登場の一声で

この世のものではない何かであることは誰もがわかる。

そして次第に美しい天人の舞に引き込まれていく。

 

 

対して狂言は演じるが

憎めない愛らしさが大事なように思う。

 

山本東次郎先生は

笑顔と千鳥足がなんとも、くすっと笑ってしまうのです。

 

能楽公演は、現代において不思議な空間だなと思う。

ハイクオリティーな映像や仮想現実でもなく、

タイムスリップした空間にいるような感覚になるのだから。

観客を異空間に誘えるのが、至芸と言われる凄さなのだろうな。

 

tomoeda-kai.com

 

www.kyogenyamamoto.com