先日までTBSで金曜ドラマ『俺の家の話』が放送されていました。
『俺の家の話』インパクト大
このお二人のドラマが大好きでした。今作は始まる前からとても楽しみにしていて、始まってからは毎週金曜日が待ち遠しかったです。
内容が能にプロレスに介護と、インパクトが強すぎる作品。
長瀬さんは『タイガー&ドラゴン』ではヤクザで落語家の役だったので、クドカン作品ならではの設定でよね。それを見事な役作りで演じた長瀬さん。体型を鍛え、レスラー役をスタントなしで自らこなしたそうです。スタントなしですよ、すごいですよね。そして、とてもかっこ良かったです。
『隅田川』そうきたか
しかし、先週の最終話の内容は少し驚きました。
親子の別れを描いた能『隅田川』を舞うこと、最終話の予告でまさかの展開のテロップ、9話目で「奇跡が一回だけ起きた」といっていたことで、もしかしと少し予想しましたが、まさかと思う悲しい結末。
それでも、さすがのクドカン。悲劇も喜劇に展開していく。
長瀬さん演じる観山寿一は42歳という短い人生であったが、濃い人生を生き抜いた。西田敏行さん演じる寿一の父、人間国宝の観山寿三郎も介護が必要となりながら人生を全うします。
誰しも人生何があるかわからないけど、旅立ちの日まで自分の道を貫き、なるべく笑って過ごせるのが理想ですね。
そして、このドラマを終えて長瀬さんはジャニーズ事務所を退所。表舞台で姿が見れないのは寂しいが、きっと次のステージでも活躍されることでしょう。
『能楽とロック』も両義的な関係?面白い記事です↓
『俺の家の話』は、「ドラマのお約束」をひっくり返した傑作だった…!(岡室 美奈子) | 現代ビジネス | 講談社(1/5) (ismedia.jp)
「新作能」について
このドラマで私が面白かったのは、戸田恵梨香さん演じるさくらや、桐谷健太さん演じる寿限無の過去を再現する時に出てきた新作能での演出。ドラマの新作能は勿論オリジナルだが、「新作能」といものは実際にあります。
能の演目は、観阿弥・世阿弥や世阿弥の長男の観世元雅、世阿弥の女婿である金春禅竹など室町時代に作られたものが多い。
演目の数は、流派にもよりますが、200曲前後と言われています。
それ以外に、近年作られた『新作能』が時々行われます。最近ではコロナ終息を願い『アマビエ』を題材にした能も公演が行われました。
私が数年前に見たかったのは現代能『マリー・アントワネット』
そうあの有名なフランス王妃のアントワネットです。ちなみに、アントワネットが能になっても、王妃だからといって、巻き髪だったりドレスを着たりはしません。能は能であるための型があります。面(能面)をかけて装束をつけます。勿論、動きや音も能である大切な要素ですから変わりません。観客側が、アントワネットだと思う必要があるのです。
まとめ
これを踏まえると、能であるための型を押さえておけば新作能は成立のだろうか。
例えば昨年映画が大ヒットした『鬼滅の刃』だって能にできるということになります。
ゆっくりなテンポは変わらないので、戦闘シーンは向いてなさそうだが、「兄妹の絆」ならお話になるかな。または、能は亡霊が出てきたり夢の中の話が多いから、「無限列車編」の一部シーンなら能になりそう。もしかしたら、能より歌舞伎の方が演目にするかもしれないと考てみる。
まあ、この話はまた気が向いたら触れることにしましょう。
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