以前に触れた 劇場アニメーション『犬王』
公開からだいぶ経ちましたが、見に行ってきました。
ということで、映画の感想です。
『犬王』感想
現代から過去へタイムスリップ
後に琵琶法師となる友魚の生い立ちと平家の呪い
主人公・犬王と琵琶法師・友魚の初対面は
舞と琵琶というよりダンスとギターセッションという形で描かれます。
能楽は現代ある能楽のまま、新しい犬王たちの曲や表現はロックという表現。
決して交わらないが、それを進化として取るならば、遠くはないのか?いや遠いのか?
などと一人考えながら、物語は進んでいきます。
ちなみに、ロックと一口言いましたが、オーディンスを乗せるということからQueen(クイーン)の「We Well Rock You」のような感じはプロモーション通り。
友魚の琵琶は、もはやエレキギターでしかないし、太鼓はドラムでしかなく、KISS(キッス)のように火を吹く人、観客を押さえる警備員までいる。
能楽とロックが好きな私としては、物語の中盤の演奏シーンが続くとどこに気持ちを持って行っていいか悩みましたが、程なくして物語はクライマックスへ。
規制がない自由な最後のステージ。
女性の面に上半身裸で舞う犬王。
舞うというより踊る。
踊りは、モダン・バレエ〜コンテンポラリーダンスとサーカスを足したような。
これを見て私が能楽に興味を持つ以前に、能楽堂で行われた公演を思い出しました。
パリオペラ座バレエ団のエトワール マチュー・ガニオが、国立能楽堂でバレエを披露。
私は公演後の雑誌を見ただけですが、実際に見てみたかったですね。
そんな異色でありながら、惹かれるステージでしょうか。
異端児として生まれた犬王は人前で初めて面を外すことになりますが、面を外した顔はグラムロックのようなメイク。
と、物語では
犬王と友魚は多くの人を魅了して大人気になりますが、時の権力者によって二人の仲は引き裂かれることになります。
そして、友魚は自分の思いを貫き。
犬王は親友を守るため、自分の思いを殺します。
二人の自由と栄光は
あのステージまでだったけど
確実に多く人びとの気持ちを突き動かし、楽しませ名を残した。
呪い、亡霊。
そして、この世は無情。
誰でも限りある命。
明日どうなるかなんて誰もわからないけど、後悔しないように生きようぜ
という物語かなと
さて、この作品では描く「能楽とロック」は遠い位置にありながら交わらない訳ではないと、私は感じました。
この音楽を担当されている大友良英さんは、幅広いジャンルの音楽でご活躍されていて、能楽一噌流笛方の一噌幸弘さんとも共演されています。
ということで、アニメーションだから出来た映画ですね。
私は、引き続き能楽もロックも両方楽しんで観ていきます♪