ロックと能楽と散歩

「バカらしくも愛しき この世界」 日常と非日常

MENU

四季の移ろいを愉しむ能楽

能に対するイメージ、あまり関心がない方はどう思っているだろうか。

 

f:id:tsukiyo_sampo:20220103230805j:plain

 

能のイメージは?

敷居が高い、難しい、動きが遅い、眠くなるといったところであろうか。

能楽好きな人間として言うが、正直どれも間違っていない。むしろ正しいかもしれない。

どの理由も、能楽能楽であるために重要な要素。

650年という歴史・伝統があるものであるから、仕方のないところはあります。

 

敷居が高いのは、最近では以前からの公演形式のものだけでなく、初めての人でも行きやすい色々な催しも開催されています。

内容が難しいのは、歴史があり能の演目は室町時代からの物が多いから、現代の言葉と違い聞いてもすぐ理解できるものは少ないです。公演にもよりますが、あらすじが用意されている催しは多いです。

動きはご想像の通り遅いです。しかし、このゆっくりの動きこそ軸がブレずに行うのは大変なのです。

 

眠くなる…

そして、この中でも最大の難題といえるのが眠くなることです。

眠くなる原因は何であろう。

スローなテンポに現代の日常の言葉ではないやり取りに、すっかり置いてきぼりになることや、面で演者の表情が見えないことなどが挙げられるのではないでしょうか。

能は大まかなあらすじは知っていた方が楽しめますが、あとは人それぞれの楽しみ方をすればいいと思います。実際には見えていない物を、演者の力で観客に見せる能楽

言葉を無理に理解しようとするより、心情を重ねる方が楽しめるかもしれない。


f:id:tsukiyo_sampo:20210417213621j:image

 

能『井筒』

夢幻能の傑作とも言われる世阿弥の作品に、『井筒』があります。

能・演目事典:井筒:あらすじ・みどころ (the-noh.com)

きちんとしたあらすじは専門の方にお任せするとして、みどころの一つに恋心があります。

業平を思う娘。業平の形見を身に着け、井戸の水を写し鏡にして、愛する人の面影をみます。

 

 


www.youtube.com

 

四季の移ろいと能

能において大切なものの一つに四季がある。

先程の『井筒』のお話の舞台は寂寥感ある秋です。

また、お話の舞台だけではなく、季節を味わいながら野外で行われる公演も多い。

毎年行われる靖国神社の夜桜能は桜の木の下で趣があり、まるで数百年前にタイムスリップしたような感覚を抱きます。

春だけでなく秋も、自然を感じながらの演能体験はとてもおすすめです。ただ、天気ばかりはその時になってみないとわからないので、雨が降ってきてしまうことも、昨日まで暖かくても極寒の陽気のことも…。

天候や寒さ対策だけして、それも愉しんでしまえばこっちのもの。ですが、その時はくれぐれもいつもより睡魔だけは注意して下さい。風邪ひきますから(笑)

 

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

初めての能・狂言 能楽入門 1 [ 三浦裕子 ]
価格:1650円(税込、送料無料) (2022/1/3時点)

楽天で購入