ロックと能楽と散歩

「バカらしくも愛しき この世界」 日常と非日常

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能楽との出会い 平和を願う思い 

今から約10年くらい前まで私にとってロックは欠かすことの出来ないものでした。

それが、 人間関係のトラブルにより音楽から遠ざかるようになり、それからは、ステージや舞台上の人に魅了されることはほとんどなかったように思う。

 

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のぼうの城』の静かな衝撃

能楽との出会いは、そんな時にテレビを観て起きました。

それは、映画のぼうの城

当時、私はテレビはあまり観る方がではなかったのですが、 この映画の評判は以前から友人に聞いていたのでゆっくり鑑賞することにしました。

鑑賞していると期待通りの面白さ。楽しんでいると、静かな衝撃を受ける。

それは、成田長親ことのぼう役の野村萬斎さんが、 二万人の豊臣軍に対したった500人の軍で対決する場面。のぼうの軍は豊臣軍から水攻めに遭い、これに対する策としてのぼうが舟に乗り敵兵の前で田楽踊りを披露する。結果、のぼうは打たれてしまうが、この田楽踊りは見方は勿論のこと、敵対する豊臣軍兵士も一緒につられて踊ってしまうくらいに人々を惹きつける。

 

私はこの場面を見て思った。

この人なら、本当に戦をしている敵対する相手ですら自身の芸で魅了し、その鉄砲を打つ手を止めるかもしれない。

萬斎さんの美しい所作や常にすっとした姿勢。

この田楽踊りは誰もが出来る簡単な動きだが、萬斎さんの所作は手の指先まですっと真っ直ぐ伸び美しい。この映画でのフィクションではなく、本当に世を平和にするかもしれないと思った。

この時、萬斎さんの所作が美しいと感じたのは、私が体を鍛える重要さを実感し体幹や所作を意識するようなったからということもあったと思う。

そして、この映画を見て以来、 実際の萬斎さんの芸に触れたく 何度も頻繁に舞台に足を運んだ。

 

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狂言は喜劇が多くて面白い。また喜劇ではないものは、深い内容で考えさせらるものがあります。そして、萬斎さんの芸もいつも素晴らしいものですね。

 


『MANSAIボレロ』 野村萬斎 - 世田谷パブリックシアター開場20周年記念 MANSAI Bolero 

ラヴェルの「ボレロ」と狂言『三番叟』の発想と技法が集結して生まれた

 

狂言のこと

近年は狂言だけの公演も開催されますが、 古くから能と一緒公演されています。

能と狂言能楽です。

伝統芸能ということで、懸念される方もいらっしゃるかもしれませんが、解説がある公演やあらすじがチラシなどに記載があり、予備知識がなくても参加してもいいようになっています。しかし、 学生の頃に音楽と遊ぶ事しか考えてなく、教養が乏しい当時の私には全く能が理解 できない。平家物語源氏物語と聞いても内容はあまりわかっておらず、あらすじを読んでもまるでピンとこない。

ただ、 なぜか能の独特の雰囲気は好きだった。

独特な幽玄の世界。まるで数百年前にタイムスリップしたような感覚。

そして、その空気の中で響くお囃子の音。その音に何故だかロックぽさを感じるのであった。

 

笑いで平和を

平和を願う思いということで好きな曲(演目)の狂言がある。

 

『宗論』あらすじ

犬猿の仲の宗派の僧が、互いに相手の宗派をけなし争う。次第に争いはエスカレートしていき、今度は互いに勤めの経を読み始める。むきになり夢中になって何度も繰り返してるうちに、気づくと間違えて敵対していた相手の念仏を唱えてしまう。

 

こんなふうに、争っても揉め事が収まったらいいのになとクスッと笑いながら思うのです。

 


狂言 止動方角 野村萬斎 深田博治

こちらは狂言『止動方角』ダイジェストになっているので狂言に縁がなかった方も見やすです。

 

まとめ

狂言を見てみたいと思った方は、特徴的な舞台である能楽堂で演者の方の芸を生で体感することをおすすめしたいです。

 

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