この1年を振り返ってみる。
それまでの当たり前
恐らく誰もがそうであったかと思われるが、それまでの当たり前がそうでなくなった1年。
1年前までの私は通信制の大学で4年間学びながらダブルワークをしていた。休みが余りないこともしばしばと多忙な日々であったが充実していたように思う。
それから、昨年のクルーズ船の報道から、緊急事態宣言による籠り生活。気軽に友人に会うこともできず、良くも悪くも家族との長い時間。そして、ダブルワークのうち一つの仕事は、契約満了という所謂クビとなり上司に頭を下げられた。環境のためか年齢のせいか、体調不良に悩む時期もあった。正直、生活は今も厳しい。
しかし、何より辛いのは楽しみが奪われたことが一番大きかった。
私の楽しみ
私の楽しみであり生きがいともいえるのは、ライブと観能である。対極的ともいえそうな芸能だが、世界観や趣があってどちらも好きなのです。
他の芸能にも言えることですが、舞台やステージ立つ人が生き生きと輝く姿をその場で触れることが喜びであり、それがたまたま能とロックだったのかもしれない。
だが、今はどちらも開催されるのは機会は減少し、この1年全く行くことが出来ていない。
行くことのできない原因は、公演開催の機会だけではなく、金銭的な理由や開催機会の減少で倍率が高くチケットが取れないこともある。ネット配信も多くなってきたが、観客も開催側も誰もがそうだろうがやはり生で体感したいのである。
心の支え
そんな生活の中、私の心支えてくれたのは音楽であった。上司に頭を下げられ、先が不安になったときも、体調を崩し苦しかったときも、家族とのいざこざで心が打ちのめされたときも、私を励まし、立ち止まらず次に行く勇気をくれた。
それは、宮本浩次さんの歌声。中でも、『夜明けのうた』に私は何度助けられたか。
大切な曲『夜明けのうた』
この曲は、コロナ禍になる前から聞いていて、初めて耳にしたときは、家族の介護問題も重なり心が折れそうな時だったから涙が止まらなかった。
そして、今私は前を向いていられる。
籠り生活には、昔挫折したアコギを始めた。あまり上達は見せないが、気分転換程度に練習を続けている。体調を崩し、癌の疑いがあったが検査で良性がわかりほっとした。家族とのいざこざは、まあ少々仕方ない。仕事は、以前から考えていた新しい道をチャレンジをすることが出来た。生活の厳しさは続いているが、問題を解決しようとする思考力が以前より付いたのではないだろうか。
『#この1年の変化』は大きいが、マイナスをプラスに変える力がついたのではないだろうか。宮本浩次さんの歌、この曲に出会えたから。
まとめ
宮本さんに心奪われた契機は、また後日書くとして、彼は本当に「まことの花」だなと思う。急に能に結び付けるが、世阿弥の『風姿花伝』にある能楽論は様々な芸能に活用できるようである。50歳過ぎても輝く本当の花が「まことの花」。
先日、宮本さんの「芸術選奨文部科学大臣賞」受賞のニュースがあった。
ファンとして嬉しくてたまらなかった。また、大きな明日への活力をもらった。
今年はいい年になるようにと祈り年が明けたと思ったら、早いものでもう3月。春はすぐそこ。
夜明けにはまだ時間がかかるかな。でも、きっと夜明けはやってくる。明日はやってくる。だから、前を向いて歩いて行こう。そう思わせてくれる大切な曲。